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修行
毎年10月から年末の時期になると、日本全土を修行僧が飛ぶことをあなたはご存知であろうか?今現在の日本において、最も熱くそしてアホらしい、この修業についてお知らせ しようと思う。そのためにはここで言うをまず説明しなければならない。 それはJALのマイレージバンクのVIP会員の間で(ANAでも同じであろうが・・・)毎年年末に繰り広げられる苦行のことである。この苦行はあまりにも苦しく、そしてあ ほらしいので、その道の勇者達が自戒の意味をこめて修業と呼ぶようになった。 JALのマイレージバンクでは、一年間にJALを使って何回フライトしたかによって、会員のグレード付けがなされる。このグレード付けは非常によく考えられており、会員の ステータス意識を真っ向からくすぐる力を持っている。一度このマイレージバンクのVIP会員として認定されると、二度とその地位を滑り落ちたくない・・・という強い熱意を 会員の間に呼び起こすのである。しかもこのグレード付けの有効期間は次の一年間のみ。あの苦労が報われるのは次の一年だけであり、次の年はまた新たな戦いが必要になるとい う非常に厳しいものだ。 しかもこのグレード序列の基準は、搭乗回数または一年間にとんだマイル数であるFOP以外の要素はまったくない。泣こうが喚こうが100万円払おうが、この基準に満たなけ れば、翌年4月から、グレード落ち会員という屈辱の一年(これはマイラーにとっては人生最大の屈辱となる)を過ごさねばならないのである。この厳しさによってこのステータ スが守られている・・・とも言える。 以下そのステータスの序列を示す。 ステータス 必要搭乗回数 Fly on Point(FOP) ダイヤモンド 120回 100000FOP JALグローバルプレミア 80回 70000FOP サファイア 50回 50000FOP クリスタル 30回 30000FOP ではそのステータスによって得られるものは何か?例えばダイヤモンド会員においては以下のようなことが公表されている。 ダイヤモンドプレミアラウンジの無料使用・・・普通のラウンジよりもさらに高級なラウンジの使用権。ビールはエビス、プレミアモルツなど(サファイア会員用のサクララウン ジではラガーとかアサヒスーパードライの普通のビール)の高級品、ウイスキーは山崎(サクララウンジはサントリーローヤル)など、いちいち差をつけてある。 グレードアップクーポン4枚・・・・エコノミークラスの切符を買えば、このクーポンでビジネスクラスにグレードアップできる。 手荷物が常に最初に出てくる・・・羽田であろうがハワイであろうが、自分の預けた手荷物が必ず最初に出てくる。 他にもJALのホテルの宿泊クーポンだとか、帝国ホテルの会員制クラブの無料入会権のゲットとか、クラスJクーポン14枚ゲット14000円分に相当する・・・などいろい ろ用意されている。ときくと、まあまあである。これはあくまでも公表されたものである。 ところが!実はJALがあえて公表していないステータスに、世の中の修行僧の心を激しく揺さぶる特典があるのだ。例えば、羽田空港の手荷物検査ゲートを通り抜けるときに、 ダイヤモンドおよびJALグローバルプレミア会員用に特別な入り口がある。一般客が盆や正月に、ながーい行列を作っているときでも、ダイヤモンド・JALグローバルプレミ ア会員は、彼らのためだけに用意された秘密の入り口からすいすいと入っていけて、彼らのためだけに二人の可愛いJALのグランドホステスが「いらっしゃいませ!」、そして 、彼らのためだけの手荷物検査員が4人も待ち構えていて「いらっしゃいませ!」 と迎えてくれる。このサービスを1回経験すると大体の男はやられてしまう。もうJAL以外に乗るなどと考えられなくなるのである。 他にも例えば女性を連れて飛行機に乗るとする。すると必ずチーフ客室乗務員がやってきて挨拶をしていくのである。しかも「ロビーニョさま、いつもご搭乗ありがとうござい ます」と深々と頭を下げる。そして連れの女性に対しては「お客様、本日のご搭乗ありがとうございます。」とやるのである。この実名とお客さま、いつもと本日の、の微妙な違 いに気づいた瞬間、すべてのVIP会員はJALの客室乗務員のファンになってしまう。そして他の客を完全無視して彼女達はすたすたと去っていくのだ。まるで他の客を無視す るのが真の目的であるかのように。そして、この場面を見た連れの女性は、完璧に私を尊敬するのである。 そしてみんなが狙う格安切符の申し込みであるJALバーゲンフェア。これも実は公表されていないが、ダイヤモンド会員は月曜日から、JALグローバルプレミア会員は火曜 日から、サファイア会員は水曜日の9時半から、一般会員は水曜日の午後二時から受け付けられる。一般会員の申し込みが受け付けられる3日も前にゆうゆうと格安切符をゲット してしまうのである。例えば、東京発札幌行き金曜日午後7時半のクラスJの格安切符とか、東京発那覇行き金曜日の午前9時ごろのクラスJなどは、一般会員が申し込もう!と 思ったときには、あわれ満員なのである。申し込みが始まった瞬間満員とはこれいかに?と昔は不思議だったのだが・・・・これは、VIP会員になって初めて気づくことなので ある。これらの特典を与えられて、おいらが他の会社の飛行機に乗れるであろうか???不可能である。 という具合に、公表されている特典はさほどたいしたものに思えないのであるが、なってみてはじめてわかる特典ないしは気遣われ方を経験すると、もうそのステータスを滑り落 ちることに、恐怖すら感じるようになってしまう。これがマイレージクラブのVIP会員の正体である。 だから・・・・毎年12月末までに規定の回数以上(または規定のFOP以上)JALに乗っていないと、来年のVIP会員の資格を失うJALマニア達は、権利取りのためだけ の回数を間に合わせるためだけに、ただひたすら飛行機に乗りまくる・・・という、他人から見るとアホ丸出しの行為に情熱を傾けることになるのだ。 これが、修行・・・である。 で、おいらぐらいJALにのるやつはめったにいないので、まさかおいらが修業に出ることなどありえないと思っていた。思っていたのだが、そのまさかが起きてしまった。 おいらが毎年ゲットしているステータスであるJAL グローバルプレミア会員権は、80回のらないといけないのだが、普通にのっていると8回も足りない72回しかフライトできないのだ。不覚である。このことに気づいたのは、 10月の初めてのことである。 なぜそんなことになったか?それは・・・・浮気が原因である。SKYMARKの東京札幌便が6月から就航したのだが、このときなんと10回もやってしまった・・いや表現が ちょっと・・・10回も乗ってしまった・・・・うーむ、あまり変わらないか・・・のだ。 だって・・・安かったのだ。あまりにも。たった一回壱万円!の、安さに目がくらみ、おいらはJALを裏切ったのだ。一回5千円もうかった!合計5万円もうかった!うれしい な!とその時は浅はかにも喜んでいたのである。なのに・・・年末になって、なんと15万円もかけて、修業するはめになったのである! そう、ただでマ○コができて、うれしいな、と喜んでいたら、直後にうしろからサングラスのお兄さんに肩をたたかれた気分といえばわかりやすいであろうか??アホ丸出し、と はこのことである。浮気はどんなときでも高くつく・・という見本のような話ではないだろうか? で、おいらは生まれてはじめての修行に出ることになったのである。それはどんなものかというと、来週は金曜日に羽田発札幌行きに乗る。家で二日過ごし、日曜日朝の便で羽田 に行く。到着したとたんに、とんぼがえりで函館行きに乗り、一泊して帰ってくる。ああ、無意味な旅だ。しかし、ただ単に飛行機に乗りまくるのだけはいやだったので、旅を装 うことにしたのである。温泉地ばかりを選んだのは、せめてもの意地である。これはただの修行ではない・・・と。 11月はもっとすごい。福岡・別府二泊三日の旅を申し込んだのだが、福岡一泊二日旅行と、別府一泊二日旅行を連日で申し込んだ!どういうことか?というと、羽田→福岡、福 岡で飲み会開催、一泊して福岡→羽田。羽田に到着するやそしてそのまま一時間後の羽田→大分便に乗り、別府温泉に泊まり翌日大分→羽田・・をやるのである。普通福岡に泊ま った翌日大分に行くのなら、JRで一時間程度。それをわざわざ羽田にもどってとんぼがえりして大分にいくのだから終わっている。 さらに・・12月はもっとすごい。札幌へ帰るのに、東京→福岡→大阪→札幌と帰る。帰りもすごい。札幌→沖縄→福岡→東京である。この札幌→沖縄直行便というのは、青春1 8切符でいう、東京発大垣行き各駅停車のようなもので、JALの修行僧の間では必須アイテムとも言うべき路線なのだ。まず一番お得である。これはステータスゲットのための 回数派からもFOP派からも支持されている伝説の路線なのだ。 一日でなるたけ多くの路線を飛ぶ時に、忘れてはいけないのが沖縄の那覇離島間の路線である。多くの離島へ飛んでいる。距離が短いので一日に多数乗るのに有利。1回あたりの 料金がお得、など。そう、那覇与論とか、那覇石垣とかは基本なのだ。 また東京在住の人間にとって、もっともお安くてマイルを取れて、回数も稼げる路線は羽田札幌線なのである。朝一で羽田を飛び立ち、札幌に10時前に到着。10時55分発の 札幌発那覇行きに乗るのは、基本中の基本である。 だから見よ!12月の札幌発那覇行きには、かたぎの人間はまず乗っていないはずである。沖縄だって12月は寒いのである。誰が観光に行くであろうか?修行のための路線。そ れが札幌発那覇行きである。 今回この計画を実施するにあたって、JALの修業の恐ろしさを知ったので、二度と安いから・・と言う理由で、SKYMARKやAIR DOに乗ったりしない!とおいらは心に誓った。うわさには聞いていたが、まさか自分がやるとは思っていなかった修行の旅。浮気というのは本当に高くつくのだ・・・と知らさ れたことも、今年の収穫だ。 たくさんの修行僧を乗せて、今日もJALは飛ぶ。見よ!JALに乗っているつもりで、乗せられているバカどもの姿を。 これぞ需要創出でなく、いったいなんであろう?マイレージバンクさえなければ、絶対搭乗しないはずの乗客達の群れをみて、あなたは何を思うか?修行僧のあほさ加減?あるい はJALやANAの経営がこんなあほくさい理由でなりたっていることへのオドロキ?こんなにすさまじく客を引き付け、そう乗る必要がないのに、客を飛行機に乗せてしまい、 飛行機に乗ることそのものを目的化してしまったマイレージの威力?であろうか? 何はともあれ、このシステムがあっという間に世界を席巻してしまった理由を我々は知るのである。マイレージ、おそるべし! そして、平和だなあ、日本!万歳ニッポン! |
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旅の手帳:第二回 赤社のクラスJ:81Kを確保せよ! 私は赤組である。赤組である理由は、以前赤社対青社の裁判でも明らかにしたように、心情的な理由に加えて、経済的理由と、実際的理由が数々あったことをみなさんはもうご 存知である。 その中でも近年とみに比重を増してきているのが、クラスJの存在である。空港ラウンジのビール2杯と、このクラスJの座席があれば、上空でどれだけ脳内モルヒネの分泌が 盛んになってもこわいものなどない。三谷幸喜のように熟睡してしまえばよいのである。そしてその気持ちのよさは格別である。 赤社のクラスJ、それもB777-200(7J2)、B767-300、A300-600Rにおける81列の両側の窓側席を含む81-H・K、81-A・B(B777- 300、B777-200(772)では82列、B747-400では87列)には、この赤社ヲタである私からしても、解決のつかない不思議な秘密が存在していた。81列 とはまあ言ってしまえば、クラスJの最前列、最も出口に近い列である。席の前は広く、自分の前に誰も座っていない、乗り降りは一番にできる・・・といういわばクラスJにお ける特等席なのである。 赤社は航空券を予約した顧客のグレードによって、確保できる席に違いがある。航空券を予約して、すぐ座席指定をするとしよう。ダイヤモンド会員は全ての席を、JGCプレミ ア会員はいくつかを除く全ての席を確保できる。一般会員は取れない席のほうが多くなっている。 そして、JGCプレミア会員である私でも、どうしても確保できなかったのがこの81-H・K、81-A・Bである。イの一番に予約しても最初から座席の色が消えていて、予 約できなくなっているので、そうかここはダイヤモンド会員にならないと、予約できないのだな・・・・と思っていた。思っていたのだが、どうも様子がおかしいのである。 クラスJに乗ると、だいたい私はその81列のすぐ後ろの82列を確保する。JGCプレミア会員でないと確保できない席らしく、発売後相当時間がたってから予約をいれて座席 指定をしてもまずゲットできる。 そこで、あーあちくしょう、81Kに座るやつはどんなやつなのかな?と思いながらいつも前の席を観察していたのである。ちなみに私が81Aではなく81Kを確保する理由は 、羽田に着陸するときレインボーブリッジなどのお台場が見えてきれいなことが多いからだ。(風向きによって変わるらしいが、だいたいは同じ方向から着陸する) で、観察していてはてな?と思ったのは、これはどう考えてもダイヤモンド会員とは言いがたい老夫婦とかが座ることが多かったのだ。それどころか、いやー今日はいい席が空い てたねえ!などと、いかにもさっき取りました、みたいな会話をするビジネスマンヲタまでいる。 さらに決定的だったのが、修行僧のページを見ていると、やつらも81列と82列には特別な思いがあるらしく(といってもヤツラの場合はただ単に、一刻も早く降りて、次の便 に乗る時間を確保したいだけなのだろうが・・・)搭乗受付でクラスJの空席待ちをするときに、必ず81か82空いてないですか?と聞いているのだ。そしてしばしば彼らはそ れに成功しており、アップされた写真をみると、な・な・なんと、81Kや81Aに座っているのである。これはいったい?と不思議に思うのも無理はないのではないか? どうやら、81Kと81Aはダイヤモンド会員だけが予約できる席という可能性はなくはないが、もっと違う秘密が隠されているような気がしてならなかった。 JGCP会員には開放していない席、それなのに当日の空席待ちで簡単にゲットできてしまう席、そして赤社ヲタからすると垂涎の席。つまり人気絶頂の最高席がなぜ、当日にぽ んぽん取れるのか?これらの疑問がどうしてもすっきりと結びつかなかったのである。 そしてその疑問をとうとう解決してくれる日がやってきたのだ。日曜日のCTS発HND最終便に乗った私は、すべての乗客が乗り込んだ後、ある人がCAに先導されて最後に乗 り込んできてすっと81−H・Kに座るのを目撃したのである。CAに先導されてくる人、といえば普通は修行僧が相場であるが、今回は違った。 その人は・・・町村信孝議員(北海道選出)とその秘書であったのだ。 そうか!全ての疑問はその瞬間に氷解した。81−H・Kは、実は前日までは誰にも開放されていなかったのである。国会議員や人気タレントや、とにかく一般客のところまで行 かせると、混乱を招きそうな客を、飛行機出発前の最後に極秘で乗せて座らせるための席なのだ。だから、前日まで誰もゲットできないが、当日有名人が乗ってこないことが確定 した段階で、全ての人(たいていはクラスJ空席待ちをしていた人)に開放するのであろう。 飛行機にまつわる秘密はたくさんある、と私はこの一件でも気づいた。他にもまだまだあるだろう。いつかその全てを知ることはあるのだろうか?と遠い目をして考えるのであっ た。 |
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マイルねたに少し行き詰まりを感じています。少しリフレッシュを図るために、エッセーを書いておりました。連載します。 第一回 新千歳空港:蕎麦屋のオヤジとのバトル 新千歳空港(CTS)は私の本拠地の一つである。スキーのメッカ、政府専用機のホームグランド(今日も尾翼に日の丸をつけた政府専用機が、新千歳空港ではなく、自衛隊管理 の千歳空港に駐機しているのに出会う)として有名。修行僧達の基本マテリアルであるCTS−OKA2703便が飛ぶ聖地新千歳。 羽田(HND)ほどではないが、この場所で過ごす時間は長い。だから、空港で食う飯というのはとても重要である。羽田ほどになると、いろいろなオプションもあり、メシに困 ることはない。(そのうち、アメリカンエクスプレスに入会して、無料のAMEX定食を食べたいものだ・・・と思う。毎回食えば間違いなく、簡単にAMEXの年会費ぐらいク リアしそうなので・・・・)まあ、ここは新千歳である。 新千歳空港には私が好きな蕎麦屋があるので、だいたいそこでメシを食う。特別にうまいわけではないが、札幌ではまずまずのチェーン店である「八雲新千歳空港店」である。こ こに私のライバルがいる。 このライバルはいつもレジの前に陣取り、店に入ってくる客を仕切る。とにかく仕切る。「一名様、いらっしゃいませ。」の言葉とほぼ同時に、「こちらの席へどうぞ」と、椅子 まで引いて客を誘導しようとする。仕事熱心なのはわかるのだが、その誘導される席が、私にはどうしても納得が行かないのである。 今日も行った。11時20分。うーん危険だな、と思いつつ、まあそこまではせんだろう・・・という期待とともに、のれんをくぐる。「一名様、いらっしゃいませ。」の言葉と ほぼ同時に、「こちらの席へどうぞ」と、いきなりオヤジはジャブをかましてくる。そして彼の誘導しようとした席というのが・・・カウンターの二人客と三人客が座っていて、 彼らの間に一つだけ空いている、というか彼らの隙間の席なのである。満員というわけではない。カウンターは今5人ほど客が帰り、がらがらになった。それなのに、▲▲×▽▽ ▽の×の席に座れというのだ。 オヤジになぜそこへ?と聞けば、もうすぐ昼なので混んでくる。一人の客は一つ分のところに座っていただく!と答えるはずである。そして彼のその理論は、一面正しい。正しい が、がらがらのカウンターを前にやられると、正直言って体の芯がかっと熱くなるのも事実である。 実は北海道ではこれはよくあることだ。学生の頃よく行った北24条の中華料理屋。人気店で昼は混む。わかっているからゆっくり食べるために11時ごろの開店まもなくを狙っ て行く。同じことを考えて早めにブランチ代わりに開店時刻に行く中華ヲタも数人くる。この店のテーブルは8つもある。客はわれわれだけ。それなのに!相席しろ!と言うので ある。昼には混んでくる!(あんただから11時に来とるじゃないか・・・)何回言われたかわからないが、店の状況を見て、混んできたらうつるからさ、いいしょ?と笑顔で、 しかし断固として相席を拒否して別のテーブルに座ったことが何度もあった。北海道というのはそういうところである。 この八雲のオヤジから、何度も納得のいかない席へ誘導されようとしたとき、昔々の学生時代がフラッシュバックするのだ。ああああ・・・このオヤジ、骨の髄から北海道人なの だ・・・と感動してしまう。 だからこの前、夜の新千歳便でついて八雲に入った時、客が誰もいなくてとてもさびしかった。なぜって、オヤジはなんとこう言ったのだ。「お好きな席へどうぞ」私はしずしず とカウンターの一番奥、隣が壁の席に誰の邪魔にもならないように座ったのである。「オレはいつも好きな席に座ってるよ!」とだけは言わなかった。 おいらがなぜJGCにここまで感動するのか、という理由の一つかもしれない。北海道の、店の都合しか絶対考えない扱いを長年受けると、JGC(SFCもそうであろうが)に 感動せずにいられない。そして今日も修行僧は羽田に飛ぶのである。 |